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スポーツの世界でお風呂はリカバリー。

筋肉が重力から解放され、疲労が抜けます

くにらぼ.com代表
プロフェッショナルパーソナルトレーナー
齊藤 邦秀 さん
2018.05.23
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医師や理学療法士と共同で開発した運動器疾患の予防・改善のための運動プログラム(セルフボディメンテナンスエクササイズ)を全国各地で普及する活動を行いながら、一般生活者の健康作り指導、アスリートのフィジカルトレーニングとケガからの競技復帰サポート、ジュニア期の体づくり指導、ITを取り入れたフィットネスアプリ監修、雑誌TARZANのエクササイズ監修等、企業・学校・行政などへの講演活動や運動指導等、活動は多岐にわたります。

お会いした瞬間にハツラツとした健康的なカラダに圧倒されながらも、情熱的かつ優しい口調と穏やかな表情が魅力的でいらっしゃいます。

 

そんな齊藤さんにインタビューさせていただきました。

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スポーツの世界でお風呂はリカバリー。

筋肉が重力から解放され、疲労が抜けます

--- 早速ですが、齊藤さんは毎日湯船に浸かられますか?

毎日、浸かります。人間は常に重力にさらされているので、重力に打ち勝つためにいろんな筋肉が働いていますよね。その重力から解放されるのは、水の中しかないんです。だから疲労を抜くためには、一日24時間の中で寝る以外に水に浸かる、つまりお風呂にちゃんと入る時間を確保する必要があります。

--- 最近は、手軽さからシャワーだけで済ます人も多く、お風呂=汚れ・匂いを落とすためと思われがちですよね。

本来は、浸からなくてはいけません。スポーツの世界では結構前からリカバリーという概念で、疲労回復のためにはお風呂に浸かる必要があると言われています。浸かるのと浸からない場合でアスリートの実験をしたところ、筋硬度や疲労具合が全然抜け方が違うし、怪我にも繋がりやすいことがわかりました。

--- 疲労回復につながるお風呂は、身体のメンテナンスという観点からも大切だということですね。お湯の温度については、気にかけられてますか?

温度は、ぬるめくらいの方がいいですね。それくらいの温度で、まったりする感じが一番良くて、逆に活性化させるには割と熱めの温度にさくっと入るのがいいです。

--- 夜は、ぬるめのお湯(38〜40度)に15分以上入ることで副交感神経が優位に働きリラックスし、朝であれば高めの温度(42度前後)で5分以内の入浴やシャワーで交感神経を高めて、体を目覚めさせ活動的になりますね。

自律神経の交感神経と副交感神経を「一日のサイクルの中で、どうやって上げたり下げたりするか」ということが重要です。

特に寝る前の一時間前にはお風呂に入っていた方が良くて、入浴によって一回少し体温を上げてから、徐々に下がってきて、一時間くらいするところで寝床につくのが一番いいですね。

--- 自律神経のサイクルを自分でコントロールする方法として、お風呂はとても手軽ですね。齊藤さんは普段、入浴剤は使われていましたか?

 

以前までは、誰もが知っているポピュラーな入浴剤を使用してました。プラシーボ効果(※1)もあるかもしれないですが、人間って心理的に匂いだとか色だとか、そういうものでリラックスできるので、何かしら入浴剤は使った方が気分的にいいなと。

 

(※1)プラシーボ効果とは?

プラシーボ効果(プラセボ効果)とは、偽薬効果とも呼ばれており、本来は薬効として効く成分のない薬(偽薬)を投与したにもかかわらず、病気が快方に向かったり治癒することを意味する。だがそのメカニズムは完全には解明されていない。

--- 実際に、齊藤さんには赤ちゃんから使える入浴剤”ベビタブ”を使っていただきました。ポピュラーな入浴剤と違って香りも色もないので、率直に物足りなさは感じましたか?

最初は、あるにはありました。でも、すぐに良さがわかりましたね。いろんなものを感じるので、なんて言うのかな・・・例えば食べ物でいうと、派手な料理を食べた時って、いろいろ色もついていて、いろんなものが入っていて、そういうものって美味しいんだけど、それをずーっと食べていて、ある時自然食レストランに行った時にあんまり変なものが入ってなくて、素朴なそのまんまの素材の味が楽しめた感じに似ています。

--- なるほど、わかりやすい例えですね!

食べ物もやっぱりありますよね。特に僕は田舎で育っているのもあって、素材の味っていうのも知っているし、土の匂いとか水もそうだし、小さい頃のいろんな経験があるから気付くんだと思います。

--- 私たちがベビタブを作ったきっかけというのも、スタッフの一人が出産や子育てを経て、原因不明の体調不良に見舞われたことでした。体温も低く35度台で病気にもかかりやすくて、なんとか改善したいと悩んでいた時にこの重炭酸入浴剤に出会って、お風呂に浸かることを習慣化することでみるみる良くなったんです。

体温が低かったなら、尚更ですね。体温が1度下がると病気にかなりなりやすいですし、1度上がるだけでもかなり免疫力が活性化します。

--- 最近は大人だけでなく、子供たちも低体温(35度台〜36度前半)になってきていますね。

原因としては、お風呂に浸からない、あまり運動しない、食べ物をしっかり食べない。こういうことが合わさってくると体温が下がっていきます。本来、子供は37度くらいあってもいいですし、僕は36,5度くらいですね。

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食事の秘訣は、ベジタブルファースト。

”病気にならない食事”が一番大事

--- 齊藤さんが身体を維持するために心がけている、食事の秘訣があれば教えてください。

基本温かいものを食べるし、氷はあまり使わないようにしています。真夏でも、冷たいものはほぼ飲まないですね。

そして基本的には、ベジタブルファースト!ファイバー(食物繊維)が入ってるものをたくさん摂ったり、何か足りない時は稀にサプリでマルチビタミン系を摂ることもありますが、基本は食べ物で摂ります。

--- 齊藤さんのSNSを拝見していると野菜もそうですが、カレーもお好きのようですね。

カレーは、昔からめちゃめちゃ好きですね。それに、カレーは本当にたくさんのスパイスが入っているので、スパイス自体は抗酸化作用(※2)があります。あと最近言われているのが、カレーの中のターメリック(※3)が認知症の予防にいいようです。

(※2)抗酸化作用とは?

私たちの体は酸素を利用してエネルギーを作りだしていますが、酸素を利用すると同時に活性酸素は常に体内で生じています。この活性酸素が私たちの細胞を傷つけ、被害をもたらしています。体内で増えた活性酸素を除去していくことが、老化や、がん、生活習慣病などの予防になりますが、活性酸素によって酸化を抑えることを、抗酸化と言い、活性酸素から体を守ることを抗酸化作用と言います。

(※3)ターメリックとは?

ちょっと土くささを感じさせる独特の香りとほろ苦い風味で、黄色く着色するのに使われることも多いスパイス。別名、秋ウコンと言う。

--- 食べ物やお風呂、生活の中の一つ一つと真剣に向き合われているんですね。

人が生きていくためには、口に入れるもの、肌に触れるもの、いろんなものがやっぱり大事で。お水一つとっても、それなりのモノがある。一般的にいいって言われてたものって、やっぱりモノが違うわけで、そこに価値があるのかもしれないですね。要は、食べたものでしか身体って作られないから、『何を摂るか』ということはすごく大事です。

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手軽な筋トレは、スクワットが一番!

あらゆる不調を根本から改善するセルフメンテナンス。

--- 齊藤さんは、スポーツトレーナーとしてアスリートから一般の方まで幅広く指導されていますが、やっぱりママさんたちも筋トレはやった方がいいのでしょうか?

筋トレは、ずっと何かしらやっていた方がいいと思います。特に女性は出産や更年期というタイミングで大きく体質も変わってきますし、閉経後は女性ホルモンが減少するので、骨粗鬆症や心臓病になりやすくなります。それでも筋肉があれば代謝が高まり、勝手にエネルギーを燃やして消費してくれるようになるので、筋トレはやったほうがいいですね。

--- 運動の習慣がない人にとっては、何から始めたらいいのかわからず、一歩を踏み出すのがなかなか難しいです。ジムなどに行く時間もないですし、誰でも手軽に自宅でできるトレーニングはありますか?

まずは、スクワットが一番いいですね。慣れてきたら腹筋や背筋などに進んでいくのも良いですが、まずはスクワットの系のものを優先させましょう。

--- 齊藤さんは、お仕事の中でアスリートだけでなく、老若男女問わず幅広い世代の一般の方に対して健康づくり指導などの活動もされていますが、きっかけはなんだったのでしょうか?

自分に子供が生まれてから、人生が変わりました。最初はスーパーアスリートだけで、当時は子供の指導も行っていませんでした。でも、結婚して子供が生まれてジュニア指導も「面白いなー」となって、周りにいるママさんやパパさんと接する機会が増えたことで、だいぶ変わっていったように感じています。

--- スーパーアスリートを教えていた経験があるからこそ、伝えられるものもありますよね。

おおもとは、自分自身が高校時代に怪我したことから始まって、選手としての道を断念したときに「なんで怪我したんだろう」「どうやったら防げたんだろう」ということを追求していったら今の職業になった、みたいなのもあって。だから少年の心を今もずーっと持ちながら、好きなことをやっている感じです(笑)

--- 自分のカラダを自分でメンテナンスする『セルフボディメンテナンスエクササイズ』を推奨されていますね。最後に、ママさん方へメッセージをお願いします。

多くの人が悩んでる腰痛、肩こり、首こりのような不調は、やはりマッサージしてもらっただけでは、一時的に症状が緩和しても、治すことはできません。原因が何か、という根本から改善しなくてはいけないので、そのためにはエクササイズが重要です。自分の身体は自分で守るものなので、生涯快適に過ごして行くために身体づくりを始めて行きましょう!

profile

齊藤 邦秀(さいとう くにひで)

山形県出身。

東京学芸大学教育学部生涯スポーツ専攻卒業。

 

(有)ウェルネススポーツ代表、ランニングフィットネスラボ代表、日本メディカルフィットネス研究会常任理事、NESTA JAPANエグゼクティブ・オペレーショナル・チーフ、くにらぼ.com主宰。全国各地でスポーツチーム・企業・学校・行政などへの講演活動や運動指導、指導者育成、TV・雑誌の監修などを行っている。

小学校時代から、スキー、水泳、野球、陸上、サッカーなど様々なスポーツに明け暮れるが、高校時代に陸上三段跳びで大ケガをし選手としての道を断念。ケガのリハビリの経験により、大学時代からスポーツトレーナーを志し、健康スポーツ医科学分野の勉学に励み、卒業後、本格的にスポーツトレーナーへの道を進む。

https://www.wellness-sports.jp/

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最新著書『最新ボディメンテエクササイズ』

「Exercise is Medicine(エクササイズ イズ メディシン)」、直訳すれば「運動は薬」。

この考え方はアメリカのスポーツ医学界で提唱され、最近日本でも少しずつ注目を集めてきています。本書では肩こり、頭痛、腰痛など12の体の不調別に、その症状を緩和するエクササイズを紹介しました。最新のメソッドとして、プロのアスリートたちも導入している1日10分のトータルケア。

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